6ペンス硬貨

現在作業中の、英国製の古いベビーグランドピアノ、来月ショールームをオープンされるピアノ屋さんのマスコットになるピアノです。(ピアノ屋さんの詳細は、レストア完成のご報告も兼ねてまた後日ご紹介できればと思っています。(追記:こちらでご紹介))

現地で拝見したときは「汚ったねー」(←いきなり失礼)と思わず口に出しそうになるくらいの、年代相応のボロボロ感が漂っていたのですが、

とりあえずこちらの工房に運んで分解作業を開始しました。

さて、とりあえずフレームを降ろして・・・と思い、よくよく観察を始めると・・・ボディーがフレームに被っていて、ボディーを一部切開しなければ抜けないという事実が判明 (T_T)

いきなり大手術っぽい展開になりつつ、納期も限られているので、ここでふて寝するわけにもいかず、作業を進めます。

なんとかフレームを抜いて、軽く掃除をしていると、ボディーとフレームの間に何やら挟まっていた物が・・・

普段、こういうときには、だいたいヘアピンとかおはじきとか10円玉とかなんですが、さすが英国製のビンテージものということで、古いイギリスのコインが出てきました。

先日、作業の途中経過を見つつ、仕上げの詳細を打ち合わせるために工房に来てくれたオーナーさんに、早速「お宝が出てきましたよ!」とコインを渡したんですが、すごく喜んでくれて、「よーし!じゃぁ、これ、額縁に入れて一緒に展示するわ!」というお話になって、めでたしめでたしな感じになりました。

が、その後、さらに何となく気になって調べていたら、この「6ペンス硬貨」というコインには特別な意味があって、イギリスでは古くから幸運を呼ぶコインとして、お嫁さんの靴の中に入れたり、クリスマス・プディングの中に入れたり、第二次大戦中は空軍のラッキー・チャームとして、メダルリボンの裏に縫いつけられたりしていたということがわかりました。

そう言われてみると、普通に使っていてピアノの中にコインを落としたにしては、少し不自然なところから出てきた気もするので、これはもしかして、このピアノを作った職人さんがピアノを出荷するとき、丹精込めて作ったピアノを、娘をお嫁さんに出す様な気持ちで「幸せになれよ!」と忍ばせたものかもしれない・・・とか妄想がふくらんで、職人さんが入れたにせよ偶然入ったにせよ、どちらにしてもこれはますます頑張らなきゃ!と思うのでした。

ということで、その後は、例によってドキドキしながら、さっそく花嫁衣装を脱がせにかかります だいぶ傷んだ塗装を剥がしていきます。

・・・

「わーぉ!」

やっぱり、脱いだらスゴいですw

きれいなローズウッドの木目が出てきました。

ローズウッドというだけあって、ほんのりと優しい甘い香りがします。

ツキ板も、現代のピアノでは考えられない厚みがあり、棚板周りなんかはツキ板というより「板」が貼ってあります。(現在ではワシントン条約の絶滅危惧種に指定されているくらいなので、かなり有り得ない感じです。)

作業自体は強い薬品を使ってちまちまとやる根気系の作業なのですが、露わになる木肌の美しさについつい没頭してしまいます。

かつての花嫁衣装をすべて剥ぎ取った後は・・・乞うご期待!(というか、まだここまでしか作業してない)

ということで、話は「ドレミピアノ工房」編に続きます。

なんとか強引にオープンに間に合わせた「ドレミピアノ工房」の展示スペースですが、その後も毎日少しずつ進化を続けています。

出窓担当(←知らんけど)のひろみちゃんも期待どおりの展開で、ひろみちゃんワールドが日に日に増殖している模様です。生徒さんやお母さんの人気絶大です。

かおり画伯の絵は、普通にギャラリーっぽく展示。さりげに値札を付けておきたくなる感じです。

ひろみちゃんとかおりちゃんのコラボレートw

ていうか、今日たまたま二人とも、教室に飾ろうかと思って持ってきたけど何だか合わないと思って迷っていた「りんご」を一緒に並べてみたら、とってもかっこいいんですが。

どんだけ気が合うんよって話です。

せっかくなので、

「わ〜♪かわいい〜♪わ〜い♪わ〜い♪」

といって、変なダンスを踊る二人を背景に撮ってみた。の図。

後は・・・肝心のピアノを何とかせねば。って話ですよね。

ですよね。ですよね。

ということで、今日はかろうじて、現在 am 3:30。

6 thoughts on “6ペンス硬貨

  1. 朋子スティーナ☆

    6ペンスって効き目があるんですね~~☆
    ベビーグランドピアノさん、また幸せになりつつありますね♪♪
    ピアノ屋さんもそれを飾ってたらいいことがいっぱいありそうです。
    6ペンスの年号?1933だったら店長のお母さんとお父さんが生まれた年です。
    今日その年を思い出す必要があったので、たまたま知ってたんですけど(^^;)

    わたしも学生の靴が臭いとき全部の靴ににおい消えろという願いをこめて10円玉を入れてみたことがありますけど、やっぱファブリーズのほうが願いがかなうような気がします(笑)

    6ペンスも素敵だし、木目も素敵だし、ビーズピグレットとか萌え萌えだし、
    絵も「すごーーい!!!」し、りんごのエピソードもすごいですね(笑)
    ダンスもかわいいし(^^)
    ぴやのやさんのとこ、すごい(笑)

  2. miwa

    6ペンス、ってそんな言い伝えがあるんですね、
    どの作品もかわいいですね、私の大好きな、スヌーピーや、ウッドストック?プーさんや、スナフキン、あ~~素敵だわ~~☆

  3. BB 投稿作成者

    ♪朋ちゃん
    6ペンスの逸話は、最初はなぜ「6」なん?とかいうしょうもない理由で調べ始めたので、思いがけず感動しました♪
    オーナーさんはいろいろと幸運を呼び込むような方なので、さすがの展開ですw

    店長のご両親と同い年でしたか!調べたタイミングもばっちりでしたね〜(笑)ピンポイントで1933!

    1920年頃までは銀貨だったそうなので、学生さんたちの靴の中に入れても殺菌消臭作用とかもあったかもしれません(笑)

    ほんとに、仕事の環境の中に素敵なことがいっぱいあって、こんなんでいいんでしょうか?という、もったいない様な気がします。感謝!

    あ、でも、朋ちゃんコーナーもあったらぜったい楽しそうですよね〜 (^皿^) 出窓のとこがまだ空いてます(笑)

  4. BB 投稿作成者

    ♪miwaさん
    6ペンス、良いお話ですよね〜♪

    壁紙自体が実はプーさん柄なんですが、それぞれの作品がとても合っていて、素敵ワールド総集編になっています(笑)

    ほんと、この素敵さがなかなか伝えきれないので、miwaさんにも遊びに来てほしいです(笑)

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