まだまだ引っ張ります(笑)
大阪のアンコールで、じつはいちばん耳に残っているのが3曲目の『ロマンス』という曲だったのですが、後になって、何の『ロマンス』なのかわからなくて、magnetさんにお訊ねしたところ、「『ウィーンの謝肉祭の道化芝居』の2曲目のやつじゃないですか?」と教えてもらってすっきりしました。
幸いなことに、この録音が入ってるカシオペのCDが手元にあったので、「あ!これこれ!」と思いながら何度も聴いていたのですが、あるとき、ふと工房の端っこに置いてあるピアノの上を見ると、なんと、そこにたまたま置いてあった楽譜の中にこの曲も入ってて、「おー!」と思いながら1〜2小節目だけ弾いてみたりしてました。
この曲は、冒頭から主題の提示が3回続き、短い曲の中にその主題がかたちを変えながら何度か出て来て、最後はまたそれで終わる…という「しつこい」感じ(笑)なので、「これは何かある」と思わずにはいられず、また余計な詮索を開始したのでした。
とりあえず作曲時期について調べてみると、1838〜9年にかけてウィーンを旅行中に作ったそうなのですが、この時期はクララの父ヴィークに結婚を反対されていて、クララになかなか会えなかったということだったそうで、この段階でもうバレバレです(笑)
そもそもこの曲のタイトルは「ウィーンの謝肉祭の道化芝居」とか「ウィーンの謝肉祭騒ぎ」とか「ウィーンお謝肉祭の道化」とか「ウィーンの謝肉祭」とか、邦題が統一されていなくていまいち意味も曖昧なのですが、曲を聴いている分にはいかにもお祭り騒ぎというものでもないのでなんだか不思議に思いつつ、原題「Faschingsschwank aus Wien」を無理矢理解読してみたのですが、Faschings は謝肉祭として、schwank は冗談とか笑い話の様な意味もあるらしく、aus Wien は ウィーンから…みたいにも訳せるので、謝肉祭の浮き立つ雰囲気を本当はクララと分かち合いたいのに、会うことすら出来ないクララに宛てて伝えようとしている自分を皮肉っている様にも思えます。
で、決定的なのが、この『ロマンス』の主題に含まれる「ド — シ♭ — シ♭」は「c – la -la 」だという説があるらしく、シューマンの協奏曲の「c – h – la -la 」にも例があるので、これはもう、確信犯ですね。という結論にたどり着きました。
今回のメインディッシュのひとつだった『子供の情景』も実は同じ頃に作曲されているので、これをふまえて(笑)もう一度じっくり聴いてみたら面白そうな気もします。
私もこの組曲の中では「ロマンス」が一番好きです。
子供の情景も、シンプルながら奥が深いですね。
ハイド様のシューマン・・・どんな感じなのか、かなり意外な気も
しないでもありません。
ライブ盤でも出ないでしょうか・・!?
今回、スケジュールの都合で、行かれなかったのが残念ですが、
ぴやのやさんのブロブで、行った気になったりもしています。
詳細ありがとうございます♪
♪2度姉ぇさん
ハイドシェックのシューマンといえば、若かりし頃にコルトーのレッスンを受けているこの動画が思い浮かびます。
曲もちょうど「子供の情景」の「詩人のお話」なところが、詩的だと思います(笑)
音のひとつひとつの意味とか音楽の精神性などについて語るコルトーの様子がよく伝わってきますし、そういう意味ではハイドシェックの演奏にもかなり深く影響していると思います。
実はボクは、シューマンをそれほど好んで聴きたいと思っていなかったので、本文中のカシオペのCDや「子供の情景」の入った新しいCDもほとんど聴いていなかったのですが、この「ロマンス」のおかげで注意深く聴くきっかけになりました。
ライブ、そして、肩の力の抜けたアンコールの曲に、出会いのタイミングというか「一期一会」みたいなことを感じました。