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Dior MONSIEUR

プライベートでも普段着は仕事用のつなぎで、それ以外にはきったないジーンズとTシャツしか着ないのに「お前がファッションの話をするな」という話なんですが、自分のことは棚に上げておきます(笑)

ブランドとかも本当に疎いんですけど、唯一好きなのがディオールのメンズライン・・・の古いやつ、現在のメンズラインはディオール・オムですが、それ以前のムッシュというやつです。

Dior MONSIEUR

Dior MONSIEUR

どういう訳で好きになったのかはまったく忘れてしまったんですけど、自分が好きだと思うものを辿ってゆくと、ここに行き当たるということが何度もありました。

ディオール・オムも、デザイナーが クリス・ヴァン・アッシュに変わってから、若干クラシカルな方向に戻った感が有りますが、ムッシュの頃はもっとそういう傾向が強くて、コンサバティブ・・・というか、野暮ったいというか、堅苦しさみたいなものがあった様に思います。

よくいえば折り目正しさ。

車でいうと、バングル以前と以降のBMWも似た様な感じの印象が有ります。

で、ディオール・ムシュが好きなボクにとっては忘れられない出来事があって、数年前のハイドシェックのツアー中のことなんですが、例のごとく金魚のフンみたいにハイドシェックにくっついて(笑)楽屋裏をうろついていたとき、ハイドシェックがジャケットのポケットを入り口のドアノブに引っ掛けて「あら!まぁ!」ということになったのですが、ジャケットを脱いで「あちゃ〜」という話をしてたときにふとラベルを見ると、このディオール・ムシュだったということがありました。

ハイドシェックは、さすがはフランスのいいとこの出という感じで、いつもとてもお洒落さんなんですが、基本的に清潔で仕立ての良い「パリッと」したものを若干着崩しながらどこかにワンポイント色を添えるという様なスタイルで、これは彼の演奏にも共通しているんじゃないかとも思うんですけど・・・特に協奏曲は分かりやすいと思いますが、オケは自由闊達なのでなく折り目正しい感じの方がハイドシェック自身は変幻自在になる・・・何か、こういう共通な嗜好みたいなのを発見したときって、とてもうれしかったのを覚えています。

あ、そういえば、ピアノの選定に何度か立ち会ったのですが、そこでもそういう様なことがありました。立ち会うごとに、一般的に言う「良く鳴るピアノ」よりも、平均的な方(一寸聴くと鳴らない方)を選ぶので驚きます。

着崩すという意味では、車でも、元々の作りがコンサバティブで上質な作りのものは、例えば少し太めのタイヤを履いて3〜4センチ車高を落とすだけで、何ともいえない雰囲気になったりもするのですが、この「使い手側の趣味」をより多く残しているという意味では、最初からデザインの手が込んだものよりも、きっちりと基本を押さえたものというのが大切な気がします。

カタログに並べてある付加価値よりも、カタログには表現出来ない手触りや質感の「本質」を見極める・・・とかいう美しい話に持っていくふりをして、微妙な値段でまた古着を衝動買いしてしまったことの自分擁護の長々とした言い訳の日記です(笑)

ていうか、ツナギしか着んって言っとるやろ(自爆)

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感謝 <(__)>